2020年4月21日火曜日

いま寄り添うために

ゆめみるけんりで始める、新しい試みについてお知らせします。


コロナウイルスに関連して、みなさんそれぞれに、乗り越えるべき課題が山積していることと思います。シリアスな問題もたくさんあると思います。先行きの分からない不安に苦しめられている人もいると思います。程度に差はあれ、わたし自身も不安な気持ちが続き、普通が奪われることの残酷さをひしひしと感じています。

そんな中でですが、いや、そんな中だからこそ、いま「ゆめみるけんり」としてできることを何か始めようと思いました。

いま、私たちは圧倒的に一人でいることを求められています。

それは病気を予防し、自分が加害者にならないために大切なことであるのは間違いありません。しかし、人は誰もがずっと一人でいれるほど強いわけではない。SNSを開けば、一人ひとりが不安なまま、その心細さを紛らわせようとするかのように、大きな声が小さな声を圧倒する風景があります。

いまこの時に、詩は不要のものかもしれない、不急のものかもしれません。しかし、詩のような、小さな、ささやかな、パーソナルなことばは、きっといま誰かの隣にそっと寄り添うことができます。

──「いま寄り添うためのことば」を募集します。趣旨をnoteに書きました。共鳴していただける方、ぜひご連絡をお待ちしています。

https://note.com/yumemirukenri/n/n65967f1e783b

###

テーマは、「いま寄り添うためのことば」。

テーマに関係する、以下のような作品を募集します。
①過去に(わたしたちのzine等に)発表された作品
②テーマに沿った新しい創作・翻訳作品
③いま読んでほしい(見てほしい)作品の紹介

下記の趣旨に共鳴してくださる方であれば、わたしたちのzineに関係のない方でもご参加は大歓迎です(必ずしも“賛同”でなくても構いません)。また、ジャンルもいわゆる「詩」や言語による作品に限りません。「いま寄り添うためのことば」だと考える作品をお寄せください。

(……)

「詩」は常に不急のものであり、それが無くても生きられるようなものかもしれません。わたしたちのまったくささやかで変わり映えのしない平凡な「生活」は、いま「戦争状態」「緊急事態」という暴力的な言葉によって断絶され、いつ終わるかもわからない非日常を生きることを強いられています。このように詩と生活が奪われる事態は、戦争というあからさまな暴力ではなく、正体の未だ分からない疫病によってもたらされることになりました。病気は、わたしたちの健康や生命を人質にとって、あらゆる緊急措置を可能にしており、抵抗する術もないままに、わたしたちは何をすればいいのかも分からず、立ちすくんでいます。

しかし、こんな時に、詩こそが、詩だけができることがあるとわたしたちは確信しています。大きな言葉が、情報がわたしたちを疲弊させている。大きな主語が、断絶を促している。大きな力におもねる言葉によって、生活が破壊されている。自分の言葉さえ、誰かの代理で語る道具となってしまっている──このような時に。詩のような小さな、ごくパーソナルな、ささやかな言葉ならば例えば、ひとりぼっちで家にいるあなたの隣にすっと寄り添うことができるかもしれません。ふと遠くの世界を垣間見せてくれることで、気持ちを軽くしてくれるかもしれません。

0 件のコメント:

コメントを投稿