2020年9月17日木曜日

瀬戸内アートブックフェアに出展します

ゆめみるけんりは、10月3日、4日に高松で開催される「瀬戸内アートブックフェア」に出展します。

出店するイベントは、zineのコンクール「ZINE AWARD」です。10月3日、4日の両日展示され、9名の審査員に審査されるとのこと。10月4日の14時からのトークイベント内で審査発表がなされるということです。

お楽しみに!

瀬戸内アートブックフェアについてはこちらから。
https://setouchiartbookfair.com

*お誘いいただいた「なタ書」藤井さん、ありがとうございました!

2020年4月21日火曜日

いま寄り添うために

ゆめみるけんりで始める、新しい試みについてお知らせします。


コロナウイルスに関連して、みなさんそれぞれに、乗り越えるべき課題が山積していることと思います。シリアスな問題もたくさんあると思います。先行きの分からない不安に苦しめられている人もいると思います。程度に差はあれ、わたし自身も不安な気持ちが続き、普通が奪われることの残酷さをひしひしと感じています。

そんな中でですが、いや、そんな中だからこそ、いま「ゆめみるけんり」としてできることを何か始めようと思いました。

いま、私たちは圧倒的に一人でいることを求められています。

それは病気を予防し、自分が加害者にならないために大切なことであるのは間違いありません。しかし、人は誰もがずっと一人でいれるほど強いわけではない。SNSを開けば、一人ひとりが不安なまま、その心細さを紛らわせようとするかのように、大きな声が小さな声を圧倒する風景があります。

いまこの時に、詩は不要のものかもしれない、不急のものかもしれません。しかし、詩のような、小さな、ささやかな、パーソナルなことばは、きっといま誰かの隣にそっと寄り添うことができます。

──「いま寄り添うためのことば」を募集します。趣旨をnoteに書きました。共鳴していただける方、ぜひご連絡をお待ちしています。

https://note.com/yumemirukenri/n/n65967f1e783b

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テーマは、「いま寄り添うためのことば」。

テーマに関係する、以下のような作品を募集します。
①過去に(わたしたちのzine等に)発表された作品
②テーマに沿った新しい創作・翻訳作品
③いま読んでほしい(見てほしい)作品の紹介

下記の趣旨に共鳴してくださる方であれば、わたしたちのzineに関係のない方でもご参加は大歓迎です(必ずしも“賛同”でなくても構いません)。また、ジャンルもいわゆる「詩」や言語による作品に限りません。「いま寄り添うためのことば」だと考える作品をお寄せください。

(……)

「詩」は常に不急のものであり、それが無くても生きられるようなものかもしれません。わたしたちのまったくささやかで変わり映えのしない平凡な「生活」は、いま「戦争状態」「緊急事態」という暴力的な言葉によって断絶され、いつ終わるかもわからない非日常を生きることを強いられています。このように詩と生活が奪われる事態は、戦争というあからさまな暴力ではなく、正体の未だ分からない疫病によってもたらされることになりました。病気は、わたしたちの健康や生命を人質にとって、あらゆる緊急措置を可能にしており、抵抗する術もないままに、わたしたちは何をすればいいのかも分からず、立ちすくんでいます。

しかし、こんな時に、詩こそが、詩だけができることがあるとわたしたちは確信しています。大きな言葉が、情報がわたしたちを疲弊させている。大きな主語が、断絶を促している。大きな力におもねる言葉によって、生活が破壊されている。自分の言葉さえ、誰かの代理で語る道具となってしまっている──このような時に。詩のような小さな、ごくパーソナルな、ささやかな言葉ならば例えば、ひとりぼっちで家にいるあなたの隣にすっと寄り添うことができるかもしれません。ふと遠くの世界を垣間見せてくれることで、気持ちを軽くしてくれるかもしれません。

2020年3月6日金曜日

ゆめみるけんりの本屋さん:bullock(栃木県矢板市)

栃木県矢板のbullockさん(https://www.instagram.com/bullockbooks/)。「ゆめみるけんり」をお取扱いいただいている本屋さんの中で、いちばん山奥にある本屋さんです。私たちが「ゆめみるけんり」を始めて、はじめて本屋さんの側から「ぜひ扱いたいです!」と声を掛けてくださったのがbullockの店主・内田さんだった、という経緯でお知り合いになりました。とても嬉しくて、こちらもぜひ!とお願いすることに。どんな方がやっているお店なのだろう?と、ずっと興味を持っていました。今回、とうとうゆめみるけんりの3人のメンバーで、bullockさんを訪問することができました!

東京から宇都宮線に揺られてほぼ3時間。bullockさんの訪問レポートです。

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矢板に向かう東北本線。畑が広がります。
同行した栃木出身のSさんによると、この辺りでは大谷石という石が取れるそう(でしたっけ)で、独特の石造りの建物も多く見られました。また酪農も盛んで、牛が道ばたを歩いていることも少なくないとか。


矢板から山の方へ車で15分くらいで、着いた!
ここがbullockさん!とても静かで、空気のおいしい場所です。


中に入ると、木の温もりを感じます。秘密基地のようなたたずまい!


内田さんもお気に入りの真ん中の棚には、torch pressさんの本やZINEなどが並びます。新しい発見が得られそうな棚でした。


ゆめみるけんり、発見!右側には紅茶も。


こちらの窓の向こうにお茶を飲めるスペースを併設される予定とのこと。ちなみに、建物はすべて内田さんがゼロからつくっています。すごい…


ロシア文学、日本文学、SF、エッセイなど、並んでいる本のジャンルはさまざま。
中でも内田さんのお気に入りはSF。SFにうとい私たちでしたが、特にイギリスのSF作家チャイナ・ミエヴィルなどの作品について、ゆめみるけんりにも通じるその魅力を存分にお話しいただき、絶対読みたいと思いました!


どことなく実家に帰ってきたような気分に。思わずたたずむK。この辺りでは、きつねなどの野生動物も見られるとか。

ゆっくり内田さんとお話ししながら、本屋を始められたいきさつなどについて伺うと、いろんな方との出会いやタイミングが重なり、「とにかく始めてみないとわからない!」という気持ちで始められたとのこと。内田さんは「結構軽い気持ちで始めたんです」と笑いながらおっしゃっていましたが、いやいや、なかなかできることではありません。その身軽さにワクワクしましたし、自分たちもなんでもやってやろう!という勇気をもらった気がします。


人なつっこい猫ちゃん、とてもかわいかったです!

矢板には、東京とはぜんぜん違う時間が流れていました。内田さん、ゆっくりと寛がせていただいて、どうもありがとうございました。ずっと応援しています!ぜひまた伺わせてください。

*bullockさんも私たちを紹介してくれました!→https://www.instagram.com/p/B9I2YWjlKE8/
*bullockさんの雰囲気が伝わる良い訪問記です→https://www.driveplaza.com/trip/michinohosomichi/ver145/

番外編:矢板から少し先の駅「黒磯」の周辺

bullock訪問のあと、内田さんからおすすめされて、矢板のさらに先、黒磯駅へ行きました。



黒磯には、おしゃれなカフェやパン屋さん、雑貨屋さん、洋服屋さんなどが並ぶエリアができていて、若い方やお子さん連れで賑わっていました。駅前には、新しく図書館施設も作られている様子。ぜひとも立ち寄りたいエリアです。


こちらも変わった建物。外から二階のバルコニーに上がって、右手の青い入り口の奥には、仕立て屋さんと書店(hookbooksさん)がありました。

(文章と写真:ふじた、工藤)

2020年2月22日土曜日

【イベント】ゆめをてわたす vol.2


ゆめみるけんりから、嬉しいお知らせをお届けします。
3月に、詩のzine「て、わた し」池袋のコ本やさんとともにトークイベントを開催することとなりました。

コ本やのリニューアル・オープン、『て、わた し』の第7号(特集:フラニー・チョイ―導くための声)刊行、『ゆめみるけんり』のvol.4(特集:手紙)刊行を記念して行うトークイベントです。

◇◆◇

私たち3者が共有する課題の一つには、「社会の中の詩・芸術」ということがあると思います。「貧しい時代に、何のための詩人か?」(ヘルダーリン)──当日はそれぞれの取り組みについてご紹介しながら、会場のみなさんも交じえ、この世知辛い社会の中で詩とは、芸術とはいったい何なのか、ぐるぐると考えてみたいと思います。

ゆめみるけんりからは工藤順が参加するほか、ゲストとしてvol.4に〈物質詩〉を寄せてくださった詩人の佐々木樹さんにも自作解説をお願いする予定です。

コ本やさんはvol.1から交流のある、ゆめみるけんりにとっては特別な本屋さん。いつかはゆっくりお話をしたいと思っていました。きっと面白い話になるはずです。ぜひぜひ、お越しください!

◇◆◇

ゆめをてわたす vol.2 ──2つの詩のzineとコ本や、これまでとこれから──

◯日時:2020年3月14日(土)14:00-16:30(13:30開場)
◯会場:theca(コ本や honkbooks内)
◯参加費:2000円(当日お支払い)
◯定員:30名
◯予約:https://yumewotewatasu-02.peatix.com/
◯詳細は、コ本やさんHPにて↓
https://honkbooks.com/post/190924842076/yumewotewatasu-02

*「ゆめをてわたす」の1回目は、西荻の忘日舎さんで行いました.
https://droitdeyumemir.blogspot.com/2019/04/tewatasu1rep.html

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出演者

青柳菜摘(あおやぎなつみ) from コ本や honkbooks
1990年東京生まれ。アーティスト。「彼女の権利——フランケンシュタインによるトルコ人,あるいは現代のプロメテウス」 (NTTインターコミュニケーション・センター [ICC], 2019)、「孵化日記 2014-2015」(第10回 恵比寿映像祭, 2018)など。「だつお」というアーティスト名でも活動。コ本や honkbooks主宰。

山口勲(やまぐちいさお)from てわたしブックス
1983年東京生まれ。経理。ポエトリーリーディングのイベント千葉詩亭(大島健夫と共催)・くにたちコミュニティリーディング(国立本店と共催)。アメリカ合衆国のトランスジェンダーの詩人のアンソロジー『Subject to Change: Trans Poetry & Conversation』を翻訳したい。

工藤順(くどうなお)from ゆめみるけんり
1992年新潟生まれ。労働者。アンドレイ・プラトーノフ『不死』(未知谷、2018)編訳、『チェヴェングール』翻訳中。ロシアに生まれられなかった後悔を胸に、何とか生きている。

ゲスト情報!

佐々木樹(ささきみき)from ゆめみるけんり
1992年宮城県生まれ。詩人・美術家・U.N.I.T.主催。
『Exhibition Design Art of Asian Regionality and Climate in Phnom Penh 2018』(Cambodia, 2018)
『Weinetiketten trienarre Erbach am Rhein sommer 2019』(Deutschland, 2019)などに参加。
制作ならび研究テーマは「芸術制作における中間領域」と「詩と詩的表現の境域について」。

『て、わた し』からは、詩人の古﨑未央さんにご登場いただく予定です。

(2020/3/1追記)